25日 12月 2017
クレジットカードや電子マネーが浸透したとはいえ、便利な決済手段として現金は重宝される。だが、現金決済を支えるのに年間2兆円ものコストがかかっていることをご存じだろうか。フィンテックや銀行の構造改革の影響がATMなど既存の決済網にも及びつつある。(大島有美子)日本人は現金好きといわれる。ボストン・コンサルティング・グループの推計によると、日本の現金決済の比率は決済全体の65%ほどで、先進国の平均(32%)の2倍以上だ。現金の取り扱いが多いからATM網が張り巡らされ、便利ゆえに現金決済が減らない――。そんな構図が浮かぶ。全国銀行協会によると、銀行や信用金庫、ゆうちょ銀行などを合わせて2016年9月末時点で13万7千台のATMがある。セブン銀行やイオン銀行などコンビニ型5万5千台を加え、ざっと20万台が稼働している。 ~以下、一部省略~ ある銀行関係者は「ATM1台の価格は300万円ほど。それに警備費や監視システムだけで1台に毎月約30万円の費用がかかる」と明かす。大量発注して1台あたりのコストを抑えたくても「メーカーは皆、銀行の取引先でもあり、一本化しにくい」(銀行関係者)。こうしてメガ銀が複数のATMメーカーの機械を使うことも、ATMの共通化を阻むという悪循環だ。ボスコンの佐々木靖シニア・パートナー&マネージング・ディレクターは金融界でこうしたATMの管理・維持コストで年間7600億円程度、さらに現金輸送や現金の取扱事務の人件費などを考慮すると、日本の金融界で2兆円もの現金取り扱いコストがかかっていると試算する。 ~以下、一部省略~ ATMの維持コストが下がれば、より付加価値の高い業務に振り向けることもできる。各行が進める大規模な構造改革では、ATM網の再編も焦点になりそうだ。 引用:日本経済新聞 2017年12月25日
23日 12月 2017
政府は22日、観光立国推進閣僚会議を開き、出国者1人あたり千円を徴収する「国際観光旅客税」の使途に関する基本方針を決めた。2019年1月に適用を開始し、18年度分の歳入は総額60億円を見込む。財源は快適な旅行環境の整備などに充てる。基本方針は使途について、(1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境整備(2)日本の多様な情報の入手(3)地域の文化・自然を活用した観光資源の整備――の3つの方向性を示した。公務員の人件費や国際機関の分担金に使わないことも確認した。18年度分は、新しい技術を活用した税関や出入国管理の整備(20億円)、ICT(情報通信技術)をいかした多言語対応(11億円)、デジタルマーケティング(13億円)、文化財や国立公園の整備(10億5千万円)などに充てる。 引用:日本経済新聞 2017年12月23日 朝刊
22日 12月 2017
JTBは21日、2018年に日本を訪れる外国人の数が3200万人と、17年見込み比で12.3%増えそうだとの予測を発表した。日本人の1泊以上の旅行者は国内で1.8%増の3億1120万人、海外旅行者は1.7%増の1820万人を見込む。18年春の大型連休は5月1、2日を休めば9日連続。働き方改革で休みやすくなる人も増えそうだが秋の連休の日並びが悪く、旅行者数の伸びは微増にとどまりそうだ。 引用:日本経済新聞 2017年12月22日朝刊
18日 12月 2017
メキシコで少なくとも8億8千万ドル(約987億円)の資金洗浄(マネーロンダリング)に関わったとされるHSBCが先ごろ、刑事訴追を免れた。時を同じくして仮想通貨ビットコインが急騰し、高値を更新したのは偶然とは思えない。銀行への規制が厳しくなるにつれ、お金の保管や送金で代替ニーズが高まるからだ。...
13日 12月 2017
政府は国家戦略特区で、一般の人が自家用車を使って有料で観光客らを運ぶ事業を解禁する。兵庫県養父市で2018年5月から始める。過疎地で認めてきた従来の方法と異なり、公共バスと同じ道路も走れるなど利便性を高める。過去最多の訪日観光客数が確実となるなか、ライドシェア(相乗り)の効果を特区で分析し、観光を伸ばす仕組み作りにつなげる。13日に開く国家戦略特区の区域会議で決める。地元のタクシー会社3社や観光団体、自治体が18年2月をめどにNPO法人を立ち上げ、運行管理の責任を担う。運転手はNPO法人に登録し、料金徴収はタクシー会社のシステムを使う。料金はタクシーの6~7割ほどに抑える。10~20両の運行を見込む。 〜以下一部省略〜 自家用車を使って有料で顧客を運ぶことは、これまでも過疎地などで認められてきた。ただ路線をあらかじめ決めるため、自由に走るタクシーよりはバスに近い。公共バスが走る道路は走れないなどの制約が多かった。 引用:日本経済新聞2017年12月13日朝刊
05日 12月 2017
アリババ(上)5億人の決済牛耳る お賽銭・野菜市場…「アリペイ」急拡大 中国の電子商取引大手、アリババ集団の金融事業が急拡大している。電子決済サービス、「アリペイ(支付宝)」の利用者は5億人を超え、1日当たりの決済件数は2億件前後にのぼる。日々積み上がる膨大な決済データを武器に、信用評価や融資などの新領域にも踏み出し始めている。...
30日 11月 2017
中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団(浙江省)は29日、新ブランド車「Lynk&Co」(リンク・アンド・コー)を中国で発売した。車を使わない時間帯に貸し出せる「カーシェアリング」機能を標準装備する。カーシェアの利用者が増えると、車の購入者は減りかねない。カーシェア機能搭載車の動向は、世界最大の自動車市場である中国での販売戦略にも影響を与えそうだ。 リンク・アンド・コーの新型多目的スポーツ車(SUV)「01」の価格は、15万8800~20万2800元(約270万~約340万円)。吉利が2010年に買収したスウェーデンのボルボ・カーとの共同部品調達でコストを抑え、日本車など外資系メーカーの同クラスより価格を1~3割低くした。 2018年以降にプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)に広げ欧米でも発売する。日本での販売は「検討している」(同社幹部)という。 吉利はリンクを「シェア機能を標準装備した世界初の量産車」とうたう。所有者が車を運転しない時間帯を指定して、第三者に貸し出すことができる。運転席の液晶パネルにある「シェアボタン」で、貸し出し可能な時間帯を設定し、第三者は専用の電子キーで解錠して運転できる。 中国のカーシェア市場は16年の4億元(約70億円)から20年には93億元に拡大するとの予想もある。従来のカーシェアは、事業会社が用意した複数の車を会員が共同利用する。リンクは所有者が自由に貸し出せるようになるため、個人間取引でカーシェア市場をさらに広げる可能性がある。 吉利は他社と協力しながらシェアサービス開発を進める考え。具体的なサービス内容として所有者による有料の貸し出しのほか、マンション住民による共同利用などが想定される。 ~以下省略~ 引用:日本経済新聞 2017年11月30日朝刊
29日 11月 2017
 低リスクな運用商品の代表格、MMF(マネー・マーケット・ファンド)。ある新興勢力のMMFがたった4年で日本円換算で約23兆円まで資産規模を膨らませ、米JPモルガンを抜いて世界最大の座を奪った。「新興勢力」とは中国の電子商取引最大手、アリババ集団のことだ。4億人以上が利用する同社の電子決済サービス「アリペイ(支付宝)」の口座に積み上がる現金。これをより長く引き留めておこうと、口座内で運用できるMMF「余額宝」を始めた。4%前後と銀行預金よりも高い利回りが期待でき、手続きも簡単。若年層を中心に爆発的な人気となり、「銀行から資金を奪った」(野村証券の郭穎アナリスト)。実用化が急速に進む金融とIT(情報技術)を融合させたフィンテック。イノベーションを投資手法にもたらし、運用会社の成長を加速させる。その半面、IT企業など異業種の参入ハードルは下がり、競争はむしろ激しさを増してきた。~以下一部省略~ 長年の経験などを支えに「職人芸」の側面も強かった運用業界の危機感は強い。「アマゾンが投信を売り始めたら、『グーグル・アセット・マネジメント』が誕生したら、生き残れるのか」(大手運用会社幹部)との声も漏れる。異業種勢も巻き込んで混沌とする運用マネーの争奪戦。先端テクノロジーを使いこなせるかどうかが、勝者の条件となる。 引用:日本経済新聞 2017年11月29日朝刊
28日 11月 2017
中国で「生活インフラ」として定着したスマートフォン(スマホ)決済。14億人の消費市場での決済は2年で6倍に増え、年間660兆円にも達した。簡単にお金を徴収できる仕組みは起業家スピリットを刺激し、波状的に新しいサービスを生む。だが怖さもある。国家が触手を伸ばしたとき、最新の技術は「監視の道具」としてすごみを増す。 ~以下一部省略~...
20日 11月 2017
新潟、長野、群馬の豪雪地帯7市町村で広域の誘客に取り組む雪国観光圏で、訪日外国人にわかりやすい観光品質認証「サクラクオリティー」を導入する旅館やホテルが増えている。「外国人が2~3泊できる広域観光圏に向けて日本旅館や民宿の品質ランクをイメージできるように」と2011年度から取り組み、約40軒に達した。サクラクオリティーは中部圏社会経済研究所(名古屋市)がニュージーランドの制度などを参考に開発し、現在は一般社団法人観光品質認証協会(東京・港)が運営する。旅館の場合、情報提供、設備、サービスなどの約300項目を、研修を受けた調査員2人が訪問して評価し1~5つの星で表示する。第三者による「格付け」や口コミ評価とは違い、宿泊施設側が有料で認証を求め、客観的基準で認証するのが特徴だ。雪国観光圏の井口智裕代表理事はJR越後湯沢駅前(新潟県湯沢町)で営む旅館「井仙」でいち早く導入し2年ごとに更新している。「経営者の意識を変え経営改革の仕組みを作るのがこの制度の本質」とみる。調査票を施設改修の際に役立てる旅館もある。「ものづくりでは当たり前の品質認証を、観光はできていなかった。根拠のないおもてなしではなく、客観的にお客がどう評価するかをひとつずつ積み上げるのが大事」と井口氏は語る。雪国観光圏など13地域で構成する全国観光圏協議会は7月、サクラクオリティーの導入を決め、これから各地へ広げていく。協議会アドバイザーの清水慎一・大正大学地域構想研究所教授は「単価や生産性を意識し、日本の観光が量から質へ転換する大きなきっかけになる」と指摘する。日本には1949年施行の国際観光ホテル整備法による政府登録国際観光旅館の登録制度があるが、訪日外国人の個人旅行が急増する時代に適合しているとはいえない。20年の東京五輪を前に民間主導のサクラクオリティーを普及させ、訪日外国人が安心して宿泊施設を選べる体制を整えたい。 引用:日本経済新聞 朝刊2017年11月20日より

さらに表示する